2016年08月02日
梅雨が明け、本格的な暑さとなってくると、夏バテや熱中症が心配されますね。
特に子どもや高齢者は注意が必要です。
子どもは、体内の水分量は多くても、汗・呼気・皮膚から出ていく水分が多いため、また、水分を再吸収する腎機能が未熟なため、熱中症になりやすいのです。
夏バテや熱中症のメカニズムを知って、どんなことに気をつけたらよいか、知っておきましょう。
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図は熱中症や夏バテに陥るメカニズムを表しています。吹きだしはそれに対する対策です。
日頃どうしているか、振り返りながら確認してみましょう。
≪温度管理≫
自宅ではエアコン温度はどのくらいにしていますか?
26~28度が適当ですが、少し汗ばむくらいを目安にしてもよいです。
汗をかくことは体内の熱を放散する役目があるので、涼しくしすぎて汗をかけなくなるのも問題です。また、外気温との差が大きすぎてしまうと、汗をかいた後に冷えて風邪をひいたり、体温調節機能が対応しきれなくなります。
≪水分補給≫
水分補給も大切ですが、大量の汗をかいた時に水だけをたくさん補給させると、血中のナトリウム濃度が薄くなり、それを戻そうと余計に水分の排出が多くなります。
麦茶、野菜スープ、果物などでも水分補給をしていきましょう。
ミネラル補給が必要とはいえ、スポーツドリンクを乳幼児の水分補給に使用することは避けましょう。糖分の摂りすぎによる肥満・虫歯、食事の妨げ、ミルクやお茶を飲まなくなる等の影響が懸念されます。
高熱、下痢嘔吐の症状が出ているときは、一時的にベビー用イオン飲料や経口補水液を利用しましょう。
とはいえ、兄弟がいると上のお子さんの生活に合わせて、乳幼児でも炎天下あちこち出かけることもあるかもしれません。
尋常でない暑さ・発汗量、食事がとれていない時には、お子さんの様子をよく見て、必要に応じてイオン飲料を活用しましょう。
ご自宅でも作ることができます。毎日の習慣にはしないでください。
水 1L
塩 2g
砂糖 40g
レモン汁 30g
全てをよく混ぜてできあがり。
※100ccあたりのエネルギー:16kcal
※ポカリスエット 100㏄あたり 25kcal
≪食事≫
◆基本の栄養バランスに気をつけながら、特に夏は多くとりたい栄養素と食材です。
ビタミンB・・・豚肉(モモ・ヒレ)、レバー、豆腐、納豆、うなぎ、いわし、玄米 等
ビタミンC・クエン酸・・・酢、ゆず、レモン、グレープフルーツ、キウイフルーツ、梅干し等
夏野菜・・・きゅうり、とまと、なす、ピーマン・かぼちゃ、ゴーヤ、枝豆、モロヘイヤ、
つるむらさき、ズッキーニ、みょうが、しそ 等
◆暑くて火をあまり使いたくないときは、電子レンジを活用したり、1品料理でも栄養バランスをとる工夫をしましょう。
冷しゃぶサラダうどん
ゆで豚肉・ゆで卵・きゅうり・とまと・なす・しそ・みょうが等をうどんにのせて
ネバとろ丼
モロヘイヤ・納豆・めかぶ・しそ・梅干し等をご飯にのせて
簡単夏野菜カレー
蒸したり焼いたナス・かぼちゃ・ピーマンや水切りした木綿豆腐をレトルトカレーに混ぜて
※冷たいものの摂り過ぎには注意しましょう。内臓のはたらきが低下して消化不良や食欲不振につながります。常温以上の飲み物や食べ物を1品は取り入れましょう。
子ども達が大人になる頃、平均気温は更に上がっていくことが懸念されています。
身を守る対処法を子どもに伝えながら、夏を楽しみましょう。
ぎんがむらコミュニティラボ 管理栄養士 中庄さとり