2016年01月19日
新しい年が始まりました。年末年始を家族でゆったり過ごしながら、それが当たり前でない家庭や
子ども達がどのくらいいるのだろう・・・と気になっていました。
今、子どもの貧困が社会的な問題になっています。
不景気によるリストラ、非正規雇用の増加で忙しい共働き家庭やシングルマザーは珍しい話ではなくなっています。
2014年の厚生労働省の発表によると、平均所得の半分未満や生活保護を受けている家庭(いわゆる貧困層)の子どもは6人に1人に上るといいます。(1人親世帯の貧困率は54.6%)
この飽食日本において、現代型栄養失調(エネルギー過多で各栄養素が不足している状態)だけでなく、食事量が足りない単純型栄養失調に陥る子どもが増えているようなのです。
「給食のない夏休みは体重が激減してしまう」という新聞記事を見て本当に心配になります。
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そんな社会背景の中、「こども食堂」の立ち上げが全国的に広がりをみせています。
地域のボランティアが集まり、フードバンクや寄付で食材を賄い、子どもや親子が無料または格安で食事できる場で、昨年から国の補助金支給も始まったようです。
30年以上自費で、近所の子ども達に食事を提供してきた女性のことが新聞に掲載されていました。
体の栄養も心の栄養も圧倒的に足りず、シンナーを吸ったり、万引きをしていた子ども達が食事をいただき、親身になって話を聞いてもらいながら更生していくそうです。
本当に頭の下がる思いです。
単にバランスの良い食事を食べられるだけではなく、一緒に料理をして食卓を囲みながら、嬉しかったことも悲しかったことも聴いてくれる人がいる・・・もし親がそれをできなくても、誰かが寄り添ってくれるだけで、親も子もどんなに救われるだろうと思います。
子育てはお金があっても1人では大変です。
貧困は更に親を疲弊させ、親子の時間も減り、子どもの人間らしい成長も奪いかねません。
昔のような3世代同居やご近所づきあいは減っています。
今、新しい家族の形として「こども食堂」は必要とされているのでしょうね。
極度に困窮していなくても、父親の帰りが毎日遅かったり、単身赴任で母子だけの食事が多い方でも、家族が揃っていても、そういった場に参加することで多くの安心感や学びがあると思います。
今年から私は「家族食堂」の立ち上げに加わることになりました。
こちらは子どもや親子だけではなく、これから家庭をもつ単身の若者、シニアの方等、幅広い世代が交流できる場です。
つながりが増えるにつれて、嬉しいことも、厳しい現状に心をいためることも増えるでしょう。
けれど、食を通して体も心も互いに元気になる・救われる場ってすごいですよね!
「生きる」を支える大切な場がこれからも増えていくことを願っています。
ご興味のある方は是非できるところから関わってみてくださいね。
管理栄養士 中庄さとり
※参考文献「2016/1/12付 東京新聞」
※お問い合わせは「生きるのねっこ」HP問合せフォームまで。
https://www.bizsystem.co.jp/ikirunonekko/contact.html
利用者として、ボランティアスタッフとして、食材や物品の寄付・・・などの参加方法があります。