2015年10月01日
私の屋号「生きるのねっこ」は、「食育が生きることの土台となるもの」という考え方に由来します。
早期教育には賛否両論ありますが、毎日の暮らし・子育ての中で食育を活用すると、生きる力も学力もついて「一石∞(むげん)鳥」だなと思っています。
それは、食育が学校教育の土台でもあり、各教科と密接につながっているからです。
各教科とのつながり以前に、食育の役割は豊かな人間形成にあります。
そのため、学校でも家庭でも、知識だけではない、体験を伴う学びを得ることが大切で
す。
義務教育でも食育を各教科と連携しながら進める方向に変化してきていますが、
実際には食育まで手が回らない学校も少なくないようです。
子育ては家庭だけでは大変ですが、学校だけでできるものでもありません。
生活の中で疑問や工夫、感動を得ながら身につける生きる力があってこそ、机上で得た知識も本当に役に立つのではないでしょうか。
乳幼児期に親が気にかけるべき食育は・・・
子どもの生活リズムを整える。
五感を使って、楽しく美味しく一緒に食べる。
親が食に興味をもち、楽しみながら子どもに言葉かけをしていく。
・・・それらが学童期からの学びの土台となります。
子育ては一緒に楽しみ学ぶチャンスです。
下記は各教科と食育の接点です。子どもの個性に合わせて、また、自分の得意科目から生きる力を伝えてみませんか!?
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★家庭科・・・食品にどんな栄養素があり効能があるのか、どんなバランスで食べたらいいのか、
美味しく食べるための調理技術も学びます。誰かと食事するためのマナーも含まれます。
食文化や郷土料理などは社会科とも密接です。
★保健体育・・・体のしくみとはたらき、食べ物の消化吸収と栄養素が身体を作っていく流れ(代謝)、運動と栄養の関係、食事と病気の関係などがあげられます。
60億もの細胞、休みなく巧妙に働く臓器、五感から脳への刺激・・・知れば知るほど私達の身体はよくできていて、敬意をもって大切にしなければと思います。
★理科・・・私達は植物や動物の命をいただいて生きています。自然界の神秘性も感動と共に伝えたい分野。食は環境との関係も密接です。料理には色素の変化や液体が気体になる等、化学の不思議さも沢山つまっています。農業や畜産の体験、毎日の料理から得られる経験も役に立ちます。
★社会・・・地理では必ず土地ごとの生産物を習います。普段の買い物でもどこで作られた食べ物なのか話題にできますね。地元産なら地産地消の良さを伝えたり、遠方からの食べ物はフードマイレージ、トレーサビリティ、自給率の問題も関係してきます。食文化の歴史も政治経済も、食とは切り離せない分野です。
★国語・・・「食」という字は「人を良くする」という意味をもちます。お寿司屋の湯呑みに書いてある魚の名前の漢字やその他食べ物の漢字の意味を読み解くことも面白いですよ。
また、「食感」を言葉で表現すると「もちもち、トローリ、パサパサ、シャリシャリ・・・」など沢山の言葉がありますが、体感したり感動してこそ、人に伝える力が身に付きます。
★算数・・・食において小学校で習う算数を使う機会は多々あります。家族でひとつの食べ物を分ける際には何等分するのか、切り分けた果物を1人何個ずつ食べられるのか、何センチ角に切るのか、何㏄入れるのか、何人分作るのか・・・算数は機械的な要素ばかりではなく、どんな形に切るのかも食べる人が食べやすい大きさや形状であったり、計りだけでなく手計りの感覚で重さを計ったり、アナログな部分と組み合わさってこそ役に立ちます。お袋の味に関しては特に数値化できない領域かもしれません。
★英語・・・単純に食材の名前を英訳することも学びですが、語源を知ると食文化を学ぶことにもつながります。「寿司」や「旨味」が、英語でも「Sushi」や「Umami」と表記されることから、日本ならではの食文化を誇りに思うきっかけにもなります。
★図画工作・・・絵でも造形でも、食を表現するなら色・形・におい・手触り等を五感で感じてこそ表現できるものでしょう。家族で一緒に祝った時の誕生日のケーキ、1人で寂しく食べたカップラーメンであったり、その時の心境によって違った表現になるでしょう。
★道徳・・・感謝の気持ち、人と分け合うこと、周囲を不快にさせないマナー、共に楽しく食べる雰囲気づくり、環境を考えて選ぶ・作る・食べる・片付ける等、食においてモラルを持てているかは生き方にもつながります。