2015年07月08日
普段の我が家の食卓はこんな感じです。
小学生の二人の息子達が仲良くじゃれ合っていたかと思うと喧嘩になったり、好きなものはさっと食べて苦手なものは苦戦していたり、姿勢が悪かったりフラフラして注意したり、色々なことを話題にして思い切り笑いあったり、時には和やかな雰囲気ではないこともあります。
家族って時には面倒なこともあるかもしれません。それでも一緒に食事する意味って何でしょう?
共食は名前のとおり、一緒に食べること。家族に限らず友人や地域のつながりでもいいのです。
共食のメリット
①絆が深まり心の栄養となる
楽しい話題を共有しながらリラックスした状態で食事することは美味しさが増して消化吸収も良くなります。情緒の安定にもつながります。
同じ料理を分かち合うことで連帯感も生まれます。「同じ釜の飯を食う」ということは共に生きるということなのでしょうね。
子どもはしばしば、口の中に食べ物が入っている状態で口を開けて話をしたり、楽しすぎて食事がそっちのけになってしまうこともあります。
保育園や小学校で始めの10分は「味わいタイム」とか集中できる時間を作る工夫もあるようです。
その匙加減も大人や集団生活から徐々に学んでいきます。
②知識を伝え学び合い、成長を感じる
食材の色・形・臭い・手触り・味などを五感で感じたり、誰がどうやって作ったのかを話題にしながら関心を高め、感謝の気持ちを育てていきます。
また、好き嫌いを把握したり、親を手本にして苦手なものを徐々に克服したりします。
食べながら「甘い」とか「苦い」などの味覚の表現も伝えていきながら、よく噛むと味がよくわかることを学び、徐々に苦味に慣れてきたりと成長を感じる場でもあります。
子どもに伝えるということは大人自身が改めて学ぶことでもあります。大人自身が不思議さや偉大さに感動した上で伝えると、子どもも楽しく受けとめやすくなります。
③心身の健康状態をくみ取る
いつもより食欲がなかったり、元気がなかったりすると具合が悪いのか、悩んでいるのか等、気がつくきっかけとなります。
熱が出た時や下痢をした時は消化のよいものを食べ、どんな食事がよいのか体で体感しながら覚えていきます。
朝に食欲がなければ起きるのが遅いのか、睡眠不足なのか、夕飯の時間が遅かった・量が多かった・消化に悪い食事だった等と生活リズム等が原因かもしれません。
体質もありますが、太りすぎ、やせすぎ、風邪をひきやすい、虫歯が多い・・・など気になることがあれば、食事の内容や食べ方(早食い・咀嚼不足・偏食・お菓子の摂りすぎ等)も振り返ってみましょう。
④栄養バランスが良くなる
必ずではありませんが、一般的に孤食は食事内容が貧相になりがちです。1人暮らしの若者や高齢者に多く見られますが、自分だけのために何品も作るのは面倒だったり、評価してくれる人や心をこめる相手がいなくて張り合いがなかったりするのではないでしょうか。
面倒と言いつつも一緒に食べる人のために「美味しさ、栄養バランス、彩り」に気を配りながら料理することで自分の健康にもメリットがあります。
もちろん健康面で大切なことですが、実体験が少なく自我が育ってきた幼児期は食事の好みが変動的です。
共食で伝えたい他の項目も大切にしながら、好き嫌いで一喜一憂しすぎずに、気長に根気よく伝えていきましょう。
⑤社会性やマナーが身につく
食器の並べ方、「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶、箸の持ち方と使い方、姿勢、食事中に適した話題、口を開けてしゃべらない・・・等のマナーは感謝の気持ちでいただき、一緒に食事する人を不快にさせずに、良い時間と空間を作り出すためのものです。
家庭ではきちんと守れていなくても、根気良く伝えていくことで、子どもでも集団生活の中ではルールを守れるようになります。
これも完璧を目指してイライラしすぎては本末転倒です。我が家の次男は耳にタコができるのではというほど毎日言っても直らない部分もありますが、学校ではそれなりに守っているようです。
理解できる年齢になれば徐々に何故必要なのかわかりやすく伝えていきましょう。「親に恥ずかしい想いをさせないで」ではなく・・・子どもが納得する理由を改めて考えると沢山の気づきがあります。
共食に対する言葉が「孤食」。文字通り1人で食べること。
お伝えしたいのは「孤食はよくない。」「1人ではできるだけ食べないで。」ということではありません。共食のメリットを理解した上でより共食を楽しんでいただきたいですし、1人の食事でも同じように大切に考えればいいのだと思います。
共食の中に存在する「こ食」もあります。
逆に、誰かと一緒に食べていれば良いというわけでもないのです。
「個食」
各自が違ったメニューを食べることです。選択肢が広がるフードコートって便利ですよね。自宅でもよくあるとしたら・・・上記の①②を思い出してくださいね。
「固食」
同じものばかり食べることです。忙しさ・金銭面等やむを得ない場合もあるかもしれませんが、
③④を思い出してくださいね。
その他に、子どもだけで食事する「子食」、少ししか食べない「小食」、濃い味付けばかりの「濃食」、
米を食べずにパンや麺ばかり食べる「粉食」といった呼び方もあります。
いづれも共食で大切な相手を思いやる気持ちが欠けると陥りやすい「こ食」です。
※「粉食」は柔らかいメニューが多くなったり、和食離れによる栄養の偏りが心配されます。
ちょっと意識するとメリットの多い「共食」。
毎日の食事で思い出して、充実した時間が増えますように★